ips細胞の行方

病因解明・創薬に、万能細胞を活用 京大・山中教授が構想

京都大学山中伸弥教授は日本全体で進める今後の新型万能細胞(iPS細胞)の研究戦略を明らかにした。パーキンソン病をはじめ神経系の病気などの患者から採った体の細胞でiPS細胞を作り、病因の解明や新薬候補物質の探索を加速させる考え。これを受けて文部科学省は2009年度に関連予算を大幅増額して支援する方針だ。

 iPS細胞は体の細胞に複数の遺伝子を導入して作る。あらゆる組織や細胞に成長することができ、失われた体の機能を取り戻す再生医療の切り札とされる。

ES細胞とips細胞の最大のちがいは、ips細胞を使うことで従来の万能細胞の抱えていた倫理的問題が解消された点。
ES細胞は、「胚細胞」から細胞の一部分を取り出して用いるため、生命倫理に引っかかる点において実用化が懸念されていた。

問題は、「どの段階をもって生命の誕生とみなすか」。

ある意味、倫理観というか、現代人の『生死観』そのものに関わる問題。大事。