驚異的な記憶力が激突、NYで『全米記憶力選手権』開催


http://wiredvision.jp/archives/200403/2004030505.html

http://wiredvision.jp/archives/200209/2002090402.html




へー。これってホントにやってるのね。記憶力選手権…言いかえれば「どれだけ物忘れしないか選手権」ということだと思うが、記憶と物忘れはふたつでワンセット。両者は切っても切れない関係にある。(=物忘れを根絶することはできない、ってこと。)


いつだったかのこの大会の優勝者の話を聞いたことがある。女性は大会で優勝したが、周りが「どれだけこの人は頭脳明晰でずば抜けた記憶力を持った人か」と思っていたところ、実際はごくごく普通の女性であった。否、普通どころか、我々と同じくらい物忘れを頻繁にやってしまう人だったそうだ。本人いわく「ポストイットがなければ私の人生はやっていけないと思う」と言っていたというから驚きである。(!!)恐らく、この人は記憶力がいいわけではないのだろう。忘れないための努力をして、忘れないための意識を心がけた結果なのだ。臆病なほど周りに気を張り巡らして、臆病なほど手を打っていたからこそ、忘れない、とでもいったらいいだろうか。(頭のいい人間であるほど、いい意味で、臆病だ。)


とにかく、人間は自分にとって重要な情報しか意識に上がらない。「注意して見たもの」しか人間には見えていないのだ。(潜在記憶には蓄積されてるだろうが)しかもそれすらが、いつかは忘れされらてしまう。脳の構造上それはしょうがない。それが、人間にとって必要な機能だから。(自閉症サバン症候群は除く)


要は「その情報がどれだけ自分にとって必要であるか」、「覚えていなければいけないものか」、「日常の生活の中でどれほどの重要度をもっているか」である。反復されるものであるほど、忘れにくい。たまにしか使わない記憶なんて必要ない。脳は非情である。(そして手抜きだ。)