「代理によるミュンヒハウゼン症候群(Munchausen Syndrome by Proxy =MSBP)」について


親が子の症状を偽り・捏造した上で、子を病院に一緒に連れていくことで無意味な治療や処置を行わせること。1977年に児童虐待の新しい形態として、Roy Meadowにより、イギリスの医学雑誌ランセットに初めて紹介された。MeadowはMSBPを児童虐待であると論じているのに対し、アメリカ精神医学会が1994年に刊行した『精神疾患の診断・統計マニュアル 第4版(DSM-?)』では、MSBPが「代理による虚偽性障害(Fictitious Disorder by Proxy)」と名づけられ、今後研究すべき新しい精神疾患概念とされている。


参考文献→http://law-web.cc.sophia.ac.jp/LawReview/contents/4803_04/4803_04nagamizu.htm

ミュンヒハウゼン症候群 - Wikipedia

代理ミュンヒハウゼン症候群 - Wikipedia

http://www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp0-20081225-443671.html

イギリスではどちらかといえば児童虐待として捉える向きが強いのに対し、APA(アメリカ精神医学会)では「母親の」精神疾患である、と捉えているのが大変興味深い。ミュンヒハウゼン症候群に罹患するきっかけは小児期の手術の経験である事が多く、そのときの記憶から相手の同情や気を引くために手術や入院を要する病気を作り出す行為を繰り返す事が報告されている、とのこと。「代理によるミュンヒハウゼン症候群」とはミュンヒハウゼン症候群の一形態であって、傷害の対象が自分自身ではなく何か代理のものであるような精神疾患である。



なお日本ではこの疾患と思われる者による事件の判例によって、事後、「児童福祉法の一部を改正する法律」(平成16年法律第153号)が制定され、平成16年12月3日に公布・施行されている。(詳しくは上リンク参考。)


虐待の事例の中では特異なケースに属するものでもある。