「甘え」概念の提唱で広く影響を与えた精神分析医の土居健郎(どい・たけお)さんが、5日午後3時27分、老衰のため亡くなった。89歳だった。葬儀は身内だけで行い、お別れの会を後日開く予定。喪主は長男望(のぞむ)さん。
東京大医学部卒。聖路加国際病院勤務後、50年に米国メニンガー精神医学校へ留学し、日米の人々の行動、心理の違いに着目する。帰国後は東京大教授、国際基督教大教授、国立精神衛生研究所長を歴任。71年に発表した「『甘え』の構造」は120万部を超えるベストセラーとなった。
日本語特有の言葉である「甘え」をカギ概念に、日本人の精神構造を分析。「甘え」は社会学や文化人類学にも影響を与え、幼児期の母子構造を考えるうえで国際的な学術語になった。
他の著書に「精神分析と精神病理」「精神療法と精神分析」など。
◇日本の知に貢献
▽精神科医で武蔵野大教授・小西聖子(たかこ)さんの話 「甘え」という日本独特の概念を、精神分析的な手法で解析したユニークな研究で、精神分析学が一般の人たちに広く知られるきっかけを作った。人文科学や社会科学など、日本の教養、知全体に大きな功績を残した方でした。
〈「http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090706-00000004-mai-soci」〉
「『甘え』の構造」などの著書で知られる精神医学者の土居健郎(どい・たけお)さんが5日午後3時27分、老衰のため死去した。89歳だった。葬儀は身内だけで行い、後日、お別れの会を開く予定。喪主は長男望(のぞむ)さん。
東京都生まれ。71年の著書「『甘え』の構造」(弘文堂)は140万部を超え、ロングセラーになった。「甘える」という言葉は日本独自のものと指摘。突き放されることを嫌がる「甘え」の心理から、義理人情や遠慮など日本人の特性を分析した。
甘えの観点から夏目漱石の世界を読み解いた「漱石の心的世界」(69年)では、精神病理学という新たな視点を日本の文学研究にもたらした。他に「精神療法と精神分析」など著書多数。東京大医学部卒業後、聖路加国際病院に勤務し、50年に米国に留学。東京大や国際基督教大の教授、国立精神衛生研究所所長を歴任した。
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精神科医で聖路加国際病院精神科部長の大平健さんの話 最後の大精神科医だった。患者と面接する時の技法は、今も精神科医のスタンダードになっている。「『甘え』の構造」などを通じて、日本人とはどういう人間なのかということに視野を開かせる役割も果たされた。
〈http://www.asahi.com/obituaries/update/0706/TKY200907060094.html〉
この人、精神分析家だったのか。たしかに面白いよな、「甘える」って。どういう精神力動になってんだろう。
と思ってさらっと調べてみる。
甘えの構造 - Wikipedia
サピア=ウォーフの仮説 - Wikipedia
言語と思考の関係。