世界最大の加速器運転開始 宇宙の誕生と進化解明へ

ジュネーブ10日共同】宇宙が生まれた大爆発「ビッグバン」直後の状態を地球上で再現し、宇宙の誕生や進化の謎に迫る世界最大の素粒子実験施設「大型ハドロン衝突型加速器(LHC)」が10日、スイス・フランス国境で運転を始めた。

 欧州合同原子核研究所(CERN)が総工費約5000億円をかけて完成させた。東京大や高エネルギー加速器研究機構茨城県つくば市)など日本のチームも建設に参加、今後の実験データ解析でも主要な役割を担う。

 LHCは、地下100メートル、円周27キロのトンネルに真空パイプを設置。強力な超電導磁石が作り出す磁場で陽子を軌道に沿って曲げながらほぼ光速にまで加速し、トンネル内の4カ所で陽子同士を正面衝突させる。

 衝突エネルギーは従来の加速器をはるかに上回る人類未経験の高さで、ビッグバンから1兆分の1秒後の状態を再現。飛び散った粒子を検出器で観測し、万物に質量を与えるとされる「ヒッグス粒子」や、宇宙を満たす謎の暗黒物質の候補「超対称性粒子」など、宇宙誕生直後にできた未知の素粒子の発見を目指す。

 日本は約170億円を拠出し、4つある検出器の中でも最大の「アトラス」の建設などにかかわった。




(47ニュース)

いよいよ来たか!って感じ。

宇宙開闢(かいびゃく)後1兆分の1秒後の姿を再現できるということは、とうとう「超ひも理論」も解明される、ってことだ。いや、理論が検証される、といった方が正しいか?
超ひも理論」っていうのはビッグバン直後のエネルギーの在り方を示した理論。
実は地球上の現象っていうのはすべて4つの力で説明できるんですが、それは「電磁気力」「強い力」「弱い力」そして「重力」です。


電磁気力は電磁波や磁力等の力で、「フォトン(光子)」という素粒子による力。
強い力は陽子と中性子を結びつける力。これは「グルーオン」という素粒子をキャッチボールして媒介することにより起こる。
弱い力は中性子が陽子、電子、ニュートリノに崩壊する時に働く力。「ウィークボゾン」という素粒子によるもの。
そして最後が重力。「グラヴィトン(重力子)」という素粒子によるものと言われているが、その存在もまだ見つかっていない。重力がどのように働くか、どういう役割を果たしているかなどについてはほとんど分かっていない状態のようで、一番身近な力のように感じるが、こいつがいまだに一番不明な力である。



で、宇宙開闢のころというのは宇宙が超高温状態で、これら4つの力がドロッドロに溶けてひとつのエネルギーだったとされているわけです。そしてそれはどうやら「ひも状」をしているらしい、と。(厳密にいえば「ひも状」と捉えると解釈上都合がいい)で、それが宇宙が長い年月をかけて冷えていくに連れて、徐々に4つの力に分岐していって、核融合が起きて水素やヘリウムといった大きな原子ができていき、あとは今の宇宙につながっていく、と。今回の実験で検証されるのはそのプロセスのことでしょうな。


つまりこのひも状の状態の力を数式で記述することができれば、宇宙のすべての現象を説明することのできる「万有理論」もしくは「標準理論」の完成、なんじゃないかと言われているわけです。その実現に近づけるものとして期待されていたのが今回の「超巨大粒子加速器」なんですな。ブラックホールを意図的に作り出せるらしいけど詳しいことはようわかりまへん。(ちなみに「標準理論」は「超ひも」以外にもいくつかモデルがあります。『スピンネット理論』とか。)



早く結果知りたいわ。笑 万物に質量を与えるとされる「ヒッグス粒子」とか超気になるじゃんか。ダークマターもちょっとは分かってくるみたいだし。
ダークエネルギーの方はどうなんだろうか。



でも、「超ひも」が解明されたからといって宇宙すべてが理解できるとは思わない。確かに今の宇宙はだいぶ理解がいくと思うけど、大事なのは「宇宙以前」だからだ。それはどういう状態なのか、どうやって今の宇宙が生み出されたのか。そこに関しては「インフレーション理論」とかもあるけど。



僕の推測だけれども、宇宙以前を解明しようとすると、最後は認識の限界の壁にぶつかるんじゃないか、と思う。つまりゲーデル不完全性定理、というか。人間の「死」以降は人間は知ることができないように、宇宙の「死」または「生以前」は知ることができないと思う。


だいたいにおいて、「生」とか「死」とかいう概念自体が人間が作り出した区切りに過ぎない。壁を「壁」と認識できるのはその外側を知っていて、「内」と「外」という概念を人間が理解できるからだ。もし人間が窓もなにもない壁に囲まれた部屋に生まれたら、その人間はその部屋が世界のすべてだと思うだろう。それと同じ。人間が「死」というものを設定してしまったのは、その向こうを知らないから。つまり今の人間にとって「死」というのは「壁」ではなく、「世界の終り」そのものでしかない。自分の一生の「壁」を設定できない人間。。。いや、逆に「死」を設定できたのはその「外側」をなんとなくでも認識できてたからかもしれないとも言えるけど。



話を戻すと、人間は宇宙以前を知ることは、おそらく、できない。しかし宇宙をすべて知り尽くすことはおそらくできるだろう。ただし限界つきで、だ。その限界というのは、『観測の可能性を原理的に不可能とするものすべて』。それが宇宙のようなマクロにおいては「事象の地平線」であり、素粒子のようなミクロの世界においては「不確実性原理」。それはつまり、人間の知りうる範囲すべてでは証明できない存在がその外側に在る、というゲーデル不完全性定理なんじゃないか。人間は経験以上のものを知ることはできない。こうして経験の限界性の存在が証明された以上、その外側の理論を知ることはできないんじゃないか?だからぶっちゃけ超ひも理論にも、その外側があるんじゃねぇ?って思うわけ。一般にはこれでおそらく無い、これ以上はない、って言われてはいるけどね?でもこういうのって、大体にしてきりがないのがセオリーだし。宇宙>銀河>星>国>地域>家>人間>器官>細胞>分子>原子>素粒子、みたいな。これで一応の所終わるけど、これだって結局今の人間の知りうる世界でしかないわけ。たぶん宇宙の外側だってあって、どうせ素粒子の下位領域だってあるけでしょ、フン。みたいな。笑 こじつけかもしれないけど、終わりあるものなんてあんのかよ、って思う。笑 なぜなら、『数字は永遠に数え続けることができる』。そのこと自体が世界は際限なくつづく、「無限」の世界なんじゃねぇかっていう証明でしょ?なんて諦めたくなる気持ちすら出てくる。(そういえば仏法でも『宇宙は無始無終』と説いている。なんて物理的な考え方。)



でも、それを追及することは続けるべきだと思う。いや、やめちゃいけないと思う。人間の理性のある限り、続ける価値がある。
…っていうか、そもそも諦められないのが人間なんだろうね…。笑