〜ブランコは地表面に近い位置が一番早い〜 角運動量保存則

運動量保存は、並進(直線)運動であり、角運動量保存則は回転運動を表している。

回転運動は、身近にはブランコ、果ては宇宙のケプラーの法則まで話は広がる。
原子核の周囲を電子が回転(スピン)するのは現在では当たり前になっているが、1913年にボーアは地球が太陽の周りを公転しているように、原子核の周りを電子が公転している、と「角運動量保存則」を用いて、水素の光スペクトルの説明を行った。

「物体に働く外力のモーメントの和が0のとき、その角運動の和は一定である」。


特に円運動は、物体にひもをつけて回転させると、物体には常に回転の中心への向心力が働く。力の大きさはひもの張力に比例するので、半径、すなわち物体と回転中心の間の距離によって決まる。同様に、核外電子に働く原子核からの力は原子核と電子間のクーロン引力でその方向も常に原子核に向かって中心力が働いている。これも核外電子の原子核周囲の力のモーメントは0で角運動量は保存される。


惑星は太陽を中心に角運動をしており、その運動は楕円形である。太陽から遠いところではスピードが遅く、太陽に近いところではスピードが速い。(ケプラーの第二法則。)


また、回転半径が小さくなると慣性モーメントは大きくなり、角速度は小さくなる。したがって、半径を小さくすると、同じ力なら回転は速くなる。
フィギュアスケートの回転のとき、いったん大きく広げた両手を縮めると回転速度が上がる、という現象で見ることができる。