「夢」を見る意味・「眠る」ことの意味


アイ・ボディ―脳と体にはたらく目の使い方


日本での合宿の後、ある女性が夜に見る夢がずっと鮮明で色彩豊かになり、とてもはっきりと覚えていられるようになったと話してくれました。
 

 これはよくあることで、視覚システムの緊張をゆるめ、上部視覚野から方向づけることを学習していると、夜になっても、同じようなプロセスが続くことがあります。視覚内路と視覚野の緊張をとくのと同時に、目の緊張もほぐすということは就寝中の脳の再配線作業がより効率的になることを意味しています。


 毎夜寝ている間におこなわれる脳の再配線作業について説明しましょう。たとえばコンピュータを思い浮かべてみてください。パソコンの電源を入れると、内部ではあらゆる種類の配線作業が行われます。私は技術者ではなく使うだけの人間なので、そこで何が起きているのか知る由もありませんが、電源を入れて機械音を聞きながら一分ほどすると、突然に画面が表示され、それで私は仕事に取り掛かることができます。これと同じようなことが、夜に私たちの脳内で起こっているのです。毎夜、私たちが眠りの各段階を経るたびに、脳は再配線の作業をしているのです。つまり、睡眠中に脳のハードウェア全体が新たに再配線されるので、睡眠をとること、そして睡眠に充分な時間をあてるということは非常に大切なことなのです。日中に意識的奥行き知覚(注:筆者の造語である)を使うようにするといった視覚路への取り組みを行うと、夜の再配線作業に違いが出てきます。新しい視覚路が夜の再配線作業を促進し、また夜の再配線作業が視覚路を新たにする手助けをしてくれるのです。この学習作業に取り組んでいた生徒さんの報告によると、視覚システムに取り組むと眠りが深くなり夜にも朝起きた時にも、身体が軽くなるそうです。

筆者のワークスの話は置いておくとして、「眠り」を「パソコンの電源を入れる前の配線作業」とする例えは、今まで聞いてきた中で一番明快なアナロジーだ。これでいくと心理学的に見た「学習」と「眠り」の関係もぐっと理解が進む。


「人間が学習して夜眠ること」と、「パソコンに新しいプログラムをインストールした際に再起動する行為」はかなり似ている。「ほんとアレ、なんでなんだろう?」といっつも思っていたんよね。「うっぜぇなぁ。」みたいなね?


基礎心理学における学習の研究では、連続的に学習し続けるよりも合間に睡眠・もしくは休憩をとりながら学習した方が、作業能率・学習能率が高いことが実証されている。結局、寝た方が直前に学習したことが頭に定着しやすいのだ。日本全国の受験生諸君よ、寝ろ。いますぐ寝ろ。それは眠ることになんらかの機能があるからに他ならない。それが脳のニューロンの再配線にあるとしたら、すべて納得がいく。したがって上記のアナロジーは心理における実験ともなまじ整合性があるために、かなり的を射た例えだと思えてくるのだ。


―――人間は、夜な夜な一日が終わるごとに脳をいったん再起動させている(!)。




…ところで人間の脳処理をコンピュータに例えることに対して、なんらかの嫌悪感を抱く人はおそらくいるだろう。「人間を機械と同じと考えるなんて、心理学ってそんな冷たい学問なの?ぎょっ。」的なものがその多くの意見だろう。しかして、正しい見解としてはある意味まったく真逆…というか、科学者が考えていることはそれ以上である。つまり「人間の情報処理をコンピュータなんかと比べるなんて逆に超・失礼!」である。情報処理の観点で人間をコンピュータなんかと比べること自体がそもそもの間違いなのである。鼻っから相手にならんのです。それをこちらの不出来で他にいい例えも思い浮かばないから、「すいません、本当すいません、人間様の情報処理を一般人にわからせるためにはしょうがないことなので、えぇ、ハイ、大変おこがましいことではありますが…、ちょっと比べさせてくださいっ!」ということなのである。


人間の情報処理能力はほぼ「無限」に等しいから。いまだに人工知能ができないのはだからです。


人間の心理をとりあえず情報処理として捉える認知心理学認知科学においてはアナロジーとしてコンピュータが引き合いに出されることはよく、ある。(事実、自分もよくやります。)それは実のところコンピュータをつくる本当の目的が人間の「知・こころ」の理解にあるからだ。客観性を重んじる科学において大事なのはやはり「再現可能性」であるので、コンピュータというのは機械としての価値以上に、同時に構築された理論・概念を検証するための客観的な実験をするためのモノでもあるのである。(それに関しても厳密にはいわゆる【強い立場】と【弱い立場】がありますが…)


それと関連があるかは知りませんが日本のどっかの省庁の計画書で「ガンダムをつくる計画」があるそうです。(まぁモノホンのというより、【ヨロイ】的なものになるそうですが)ですがガンダムをつくるのはまじで困難らしいです。なんせ手ひとつ動かすのも、指の間接一つ一つにモーターが入ってるようなもんだから、それを動かすパイロットはもう中でしどろもどろ、っつうか、手でそれだからさらに全身動かすなんて、そんな数のスイッチいじれねぇ、って話らしいです。ゆえにガンダムは、動かないのです。というか、動けない、のです。だからそれを無意識に同時並列でやっちゃってる人間の情報処理は、まじで半端ないのです。いやまじで。人間の心は、宇宙より広いんすよ。



話がそれましたが、要はそういうことです。自分でも書いててよくわからんくなりました。許してください。笑