進化論

人間とチンパンジーの違い、『声』。

前にも書いたが人間とチンパンジーのDNAの差は1.2%しか違わない。しかし、この差は遥かな距離を持つ1.2%である。もし君が、横にチンパンジーを置かれて「君はこのチンパンジーと1.2%しか遺伝子レベルで違いがないから、ほぼおんなじ生き物だ…

 突然変異の必然性

遺伝子の複製に際して、核酸1本鎖のコピーをミスする可能性は0.05%(100文字中平均5文字ほど)だという。 さらに、そのミスコピーを訂正する機能が存在するのだが、それすら見逃す確率が0.0001%。 こいつの最初のミス0.0001% × 次も…

人間の遺伝子の95%はジャンクDNA

機能しない遺伝子 遺伝子重複(=遺伝子を子孫に伝えるとき、なんらかのミスで同じ遺伝子を2回コピーしてしまうこと)によって、たいていの遺伝子はその機能が停止した状態になる。その伝えられた遺伝情報を発言できない遺伝子のことを「偽遺伝子」という。…

ホメオティック遺伝子

生物の形質の違いを決定する遺伝子のことを「ホメオティック遺伝子」という→ 生物のちがいは遺伝子の形質の違い ヒトと昆虫 =遺伝子自体は同じ。並びが違うだけ。 身体の軸をつくる遺伝子は同じ起源をもつ―――

 分子時計「ヒトとチンパンジーの遺伝子のちがいは1.2%」

→分子時計とは、アミノ酸配列の違いから、生命の種の分岐を示す(推定する)指標のこと。分子生物学の進歩によって可能になった。 従来の生物の進化の過程は、化石を用いて行ってきた。しかし、その化石の年代の判定には誤差が表れるため、この手法と重ね合…

ヒトの遺伝子はすでに解析済み

遺伝子解析により人間の遺伝子をすべて解析しようという計画、「ヒトゲノムプロジェクト」。機械作業でDNAを様々な長さに切り分け、解析していく。 これは2004年ですでに終了。人間の遺伝子解析は完了した。 しかし、これはあくまでDNAの塩基配列…

進化論の論点

1、遺伝子の安定性 サケの卵からはサケが生まれる。稲の種子からは稲が出来る。これはひとまず確実なこと。つまり遺伝子の安定性だ。 しかし、ショウジョウバエの種から「目が白いハエ」「第3節に羽が生えたハエ」「羽が縮れたハエ」が生じることがある。…

隠れ遺伝子説

突然変異に方向性を認める 1988年、米、ハーバード大学/ジョン・ケアンズとバリー・ホールによるもの。 例:乳糖を加えた寒天培地では、乳糖が分解できる突然変異をした大腸菌が多く発生。 ・また、歯のない鳥にも歯のエナメル質をつくる遺伝子が眠ってい…

ウィルス進化論 その2

レトロウィルスによる「逆転写酵素」 レトロウィルスは「逆転写酵素」という酵素を持っていて、寄生相手である宿主の細胞内に入ると、この酵素によってRNAから遺伝情報がコピーされ、DNAがつくられる。レトロウィルスによる感染は、このRNAからコピ…

ウィルス進化論

※ウィルス進化論は《エセ科学》との声もあるので、要・警戒。アイデアはおもしろいとは思うんだけどね。でもはっきり言って、ウィルス進化論について書いてある本は中原英臣氏のものしか見たことがないんだよね。他の文献で取り上げられているのを見たことが…

 同種殺し

ハヌマンラングーンというサルの群れの中で、子殺しが存在する。 ハヌマンラングーンはオス一匹とメス数匹で一群れを成す。ときに群れから離れた単独のオスが他の群れを襲う。しかし、群れのメスは授乳中の子がいると発情しない。オスからすればせっかく乗っ…

 ドーキンスの「利己的遺伝子」

全ての生物は遺伝子=DNAの乗り物でしかない ダーウィン進化論においては、自分の子孫をできるだけ沢山残すことが勝者である。しかし、それに反して時として動物が自己犠牲行動をとるときがある。 →キツネに狙われたヒバリの母親が子供を助けるために、ケ…

 動物行動学の視点から

ウィリアム・ハミルトンの血縁淘汰説 動物が利他的行動をとるのは、全ての動物が血縁者を助ける行動を起こす遺伝子を持っているから →他の遺伝子より生き残る確率が高い 例:働きバチの行動のワケ 女王バチ(遺伝子ABとする)とオスバチ(遺伝子Cとする)…

 諸説進化論

・中立進化説――― 木村資生(1924〜1994) 「遺伝子の進化は生物にとって有利でも不利でもない中立的な突然変異を起こしたものが偶然に広まることによって起こる」 ・隔離説――― モーリッツ・ワグナー(ドイツ) 「生物が地理的に隔離されることで新し…

 今西進化論

今西進化論は、サル学の研究で有名な今西錦司が唱えた進化論。 ダーウィン進化論が「自然淘汰」と「適者生存」を柱にしているとすれば、今西進化論は「棲みわけ」と「種社会」を中心的な概念とするもの。 京都の賀茂川にはカゲロウの一種であるヒラタカゲロ…

 ダーウィン進化論は完璧ではない

(雑記ノートから) 「種の起源」(1959年) 1、個体の変異 2、自然界の選択。 これは育種(人間による)とマルサス人口論に着想を得たもの。 →「人口は幾何級数的に増えるが、食料は直線的しか増えない」ゆえ、かならず食糧不足による飢餓が発生する…