哲学

感情はどこからやってくるのか 〜現象学の視点から〜

追記:2009.9.16 本書のキーは「ゲーデルの不完全性定理」。文系的に表現すると、この世の「不条理」。 理性を研ぎ澄ましていくと、人間の認識は必ずこの不条理にぶちあたる。「なぜ生まれてきて、なぜ死ななければならないのか。」人間にその理由が教えられ…

環境即我 〜苫米地英人氏の論文から〜

苫米地英人の論文から引用したい。 内部表現は進化の階段とともに進化していることになる。つまり、アメーバや非常に下等な生物のレベルでは、物理的実体(その意味で物理的状態)と内部表現に何ら差がない。つまり、内部表現イコール物理的な生体である。要…

 《時間》はホメオスタシスがもたらした錯覚の一種

先にキーワードを3つ。 1、ピアジェの発達理論「対象の永続性」 例えば目の前にコップがあったとして、これを何か(板とか)で隠されても、我々はそこにコップがあることを容易に理解できる。赤ちゃんが「いないいないばぁ」を喜ぶのは、この〈対象の永続…

ものスゴイ奴からの〈感染〉こそが人を動かす究極の動機

これは非常に良かった。時間のあるときに聴いてほしい。

「歴史を変えることはできない。しかし歴史の流れを速めることはできる。」 『宮台真司 / 14歳からの社会学』

「意思」はあるときふと「訪れる」もの たとえば君がおにぎりを食べたとする。なぜ君はおにぎりを食べるという行為を「選んだ」か。それは「意思」したからだ。その「意思」は、君にあるとき、ふと「訪れた」―――。そんな風に社会学は考える。「意思」はふと…

論理哲学論考、抜き書き その2

明日、太陽が昇るというのは仮説である。我々は昇るかどうかを知らない。 これが起こったからあれが起こるという必然性はない。論理的必然性だけがある。 世界は、私の意志から独立である。たとえ我々の願いがことごとく叶うとしても、世界と意志の間にそれ…

論理哲学論考、抜き書き。

1 世界は、そうであることのすべてだ。 1、1 事実の総体で、もののではない。1、13 論理空間中の事実が世界だ 1、2 世界は事実から成る 2、19 論理的像が世界を写像する3、03 非論理的なことは一切思考できない。でなければ非論理的に思考する…

ウィトゲンシュタイン「論理哲学論考」を読む

本書はおそらく、ここに表わされた考えか、少なくともこれに似た考えを、すでに自ら考えたことのある人にだけ理解されるだろう。だから、ためになる本ではない。理解をもって読んでくれる一人を喜ばせられるのなら、目的は果たされる。<序文>より で始まり…

言語は何ものをも言い表せない(「クワス算」)

お暇のあるときにどうぞ。 後期ウィトゲンシュタインのいわゆる「言語ゲーム」と、アメリカの哲学者ソール・クリプキによるその解釈が生み出したあるパラドックス。ある記号の意味はあるルールに則って規定されている。(例えば「+」とか)しかしそのルール…

エルサレム賞での村上春樹スピーチ

友人にたまたま教えてもらったのですが、これが本当に素晴らしい内容で。自分、あんまこの受賞に関しては詳しくないのですが、受賞に際して辞退を勧める動き(著作のボイコット運動をちらつかすなど?)もあったらしく、それをあえて理解した上での今回の受…

「知=権力」。知の目的は【コントロール】することにある。『90分でわかるフーコー / ポールストラザーン』

90分でわかるフーコー作者: ポールストラザーン,Paul Strathern,浅見昇吾出版社/メーカー: 青山出版社発売日: 2002/02メディア: 単行本購入: 7人 クリック: 33回この商品を含むブログ (12件) を見る一言。面白かった。 新しいことを知る時はまず概論的な本か…

言葉の中身は意味上からっぽ 〜言葉は生きている〜

ブッダと龍樹の論理学―縁起と中道作者: 石飛道子出版社/メーカー: サンガ発売日: 2007/09メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (7件) を見る ちがった意味をちがった言葉で言う 龍樹は、ひとつの言明について、次々表現を変えながら、意味す…

【ブッダ・龍樹】を論理学で読み解く

[rakuten:book:12178823:detail]中論についての解説本はどれも難解、というか「書いてる人もコレ、ほんとにわかってるのか?」と思うくらい、混乱のるつぼだ。著書いわくそれは「西洋論理学の範疇で物事を考えているから、読み誤るのだ」とし、真にその言説…

真理は証明の外にある 〜ゲーデルの不完全性定理〜

20世紀を動かした五つの大定理作者: ジョンキャスティ,John L. Casti,中村和幸出版社/メーカー: 講談社発売日: 1996/04メディア: 単行本 クリック: 12回この商品を含むブログ (1件) を見る 不完全性定理の流れを言語的に掴む 少し長くなるが、不完全性定理の…

カント『純粋理性批判』について

カント 世界の限界を経験することは可能か (シリーズ・哲学のエッセンス)作者: 熊野純彦出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2002/11/22メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 8回この商品を含むブログ (29件) を見るこの夏、読了のひとつ。 カントの純粋…